どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『イタリア人の働き方~国民全員が社長の国/シルヴィォ_ピエールサンティ・内田洋子』

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人口6,000万人に対して法人登録数は20,000社とも言われ、国民全員が社長の国と言われるイタリアの企業家が大事にしていることについて書かれていました。
日本にも同じ考え方を持つ経営者は多いと思うのですが、イタリアの凄いところはそれが国民全員に浸透していることでしょうね。

例えばヴェネツィア1の水上タクシーの運転手であるフランチェスコ・グレーコは「仕事をきちんと成し遂げて、お客を満足させるためにベストを尽くし、正直に振舞えば信用を得る。」と言っています。その証拠にオリバー・ストーンをはじめ名だたる人たちが彼の運転を求めているそうです。日本語の「真面目」で表現されるすべての要素が必要なのだと改めて感じましたね。

また、生ハム界の帝王であるロレンツォ・ドズヴァルドがいうおいしさの秘訣とは「情熱と家族が守り継承してきた伝統とごく詳細にまで及ぶ、マニアックなまでのこだわり、そして大量生産を拒絶できる勇気にある。」と言っています。
大量生産を拒絶できる勇気は確かにそうだと思いました。大量生産をすれば必然的に職員も増えますが、それは同時に自分の見える範囲から離れてしまいます。山本五十六のように人材育成ができれば話は別かもしれませんが、"良いもの"を"大量に"届けるのは相当ハードルが高いです。まずは自分の半径5メートル以内の人を満足させることが大事ですね。
それは「私にとって幸せな人生とは、楽しく質の高い仕事をすることですが、妻や子供と楽しい時間を過ごせることも同じくらいに大切なことなのです。」という言葉からもにじみ出ていました。

人材という意味では、世界一のカシミヤを作るブルネッロ・クチネッリが人を採用するときの視点も興味深かったですね。
「新しく社員を採用するとき、私はその人の履歴書などは見ません。ごく簡単な質問をするだけ。『あなたの夢は何でしょうか?』」

著書を全部読んでイタリア人の仕事に対する誇りがひしひしと伝わってきました。
日本人も負けないくらい誇りを持っていると思いますが、他国の違った視点で触れることができたので勉強になりましたね。