少年が小説家になった理由とは? 雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会いとは? ひとつの町でおきた6つの物語。
小説家の乙一さんがアマチュア作家の作品に手を加えてできた6つの短編が綴られています。それぞれが微妙にリンクしていて、短編として読んでもよし、長編として読んでもよしの作品になっていますね。
一般的には最後の「ホワイト・ステップ」に評価が集まるのかなと思っていますが、個人的にはふたりっきりの文芸部員のやり取りを書いた「青春絶縁体」がもどかしくて好きですね。大人になればある程度計算して行動するようになるのですが、思春期のこの頃は自分も思うがままに行動していたように記憶しています。恋愛についてももっと慎重になったらよかったかなと(苦笑)
御本人も言われているように「あれ?あそこには触れないの?」と思えるような箇所が何か所かあったのですが、それは乙一さんの作風となんでしょうね。
全体的に少し不思議な話が多かったので、もう少し日常寄りの作品も読んでみたいと思いました。