デビューから十年が経過した作家・朝井リョウ。
森永製菓や資生堂、サッポロビールなど様々な企業からコラボ作品の依頼があって作られた短編やエッセイに書下ろしを加えた計20本をつづっている。
それぞれコラボ作品によって文量や構成など様々で、作者の引き出しの多さを見ることができる。
これまで読んだ本は直木賞受賞作の「何者」も含めて、人生経験が短い若さゆえの作品の深さ足らずのような感覚があったのですが、この作品を読んでその考えは一掃されました。この一冊を読んで感じたのは、ただただ作家・朝井リョウの凄さですね。とにかく引き出し多いです。
やはり一番好きなのは、最後の作品であり書下ろしである「贋作」なのですが、他にもアサヒビール発注の「蜜柑ひとつぶん外れて」やJTの「胸元の魔法」も好きですね。
長編小説もいいのですが、こういったコラボ企画も面白いので第二弾が見たいなぁと。
コンセプトも内容も面白い作品でしたね。