どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『旅屋おかえり/原田マハ』

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売れないタレントの丘えりか(通称おかえり)は、スポンサーの名前を間違えて唯一のテレビ番組である旅番組を打ち切られる。そんな中、所属事務所の社長鉄壁らと彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする「旅屋」。
旅に出たくても出られない人の代わりに旅をするおかえりが様々な人と出会い、周りの人を笑顔にする。

自分が好きな「旅」をテーマにした小説だからというのもあるのですが、面白かったです。
話の軸もしっかり書かれており、中心となった秋田県角館と愛媛県内子には改めて行ってみたくなりました。このふたつの場所をおかえりの旅先に選んでいるマハさんもさすがですね。特に角館は行ったことがないので、描写にもあった満開の桜を拝んでみたいです。

また、ヤンさんの「紙の繊維は叩かれて叩かれて、強く美しくなる」というセリフがとてもいい。紙作りはどれだけ大変かもまったく想像がつきませんが、大事な人に書く手紙の紙が自分で鋤いたものだったら素敵だなと思いますね。

読んだら元気が出て、旅に出たくなる。そんな素敵な小説でした。