どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『神様ドライブ /浜口倫太郎』

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神主の父を早くに亡くした大学生のみつるは就職活動も上手くいかないまま大学を休学していた。そんな時みつるに声をかけたのはそんな父親似の紡。「全国の神社を巡る旅に出ないか。」と言われ、二人は車で日本一周の旅に出ることに。彼氏の不倫現場を目撃し、それを吹っ切るために2人と一緒に旅に出ることにした看護師のほのかが途中から加わり、3人は順調に旅を進める。しかし、ある日みつるとほのかは紡が旅に出た理由を聞かされた。
それぞれがそれぞれに忘れがたい過去を持っている3人が全国の神社をめぐって見えたものとは・・・。

神社や神様の説明が結構あるので慣れないと物語が進まないのですが、全体的にはライトなので次第にページをめくるスピードも上がりました。「お父さんはユーチューバー」もそうでしたが、登場人物がみな優しいですね。3人とも優しい心の持ち主なので穏やかな気分になりましたし、自分も少しだけ神社に目を向けてみようと思いました。

また、BIG3ビートたけしさん・明石家さんまさん・タモリさんの3人のうち、誰が神様になれるかというやり取りが面白かったですね。こんな会話したことが無いですし。
そんなくだらない会話がある一方で、彼氏に裏切られて泣いているほのかの横で、コンビニスイーツを食べながら何を聞くわけでもなく、そっとそばにいてあげるみつると紡の優しさもあるなど、振れ幅もある作品でしたね。

"ほのかはまだ泣いている。その泣き声が、茜色の絨毯に溶けていく。僕と紡さんはその痛切な涙声を聞きながら、黙ってスイーツを食べていた。その味は、さっきよりも苦く感じられてならなかった。"

ほかには神様に願うことについて言った紡の言葉も良かったですね。
「願いが実際に叶うかどうかは二の次で、願える相手がいるってだけで人は救われるんだ。」

人でも神様でも寄りかかれる存在があるというのは見えないところで、その人の助けになっているのでしょう。