どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『神様、仏様、稲尾様/稲尾 和久』

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自分が産まれる前の時代の名言として記憶にあるのが「権藤、権藤、雨、権藤」とこの本のタイトルの「神様、仏様、稲生様」です。プロ野球選手としてシーズン42勝という異次元の記録を持ったピッチャーだということも知っていて、どういう選手だったかは気になっていました。

幼少期から始まり高校時代、プロ野球を経て監督時代まで稲尾さんの野球人生が細かくつづられていましたね。御本人や当時の西鉄ライオンズに限らないと思うのですが野武士のような武骨な選手が多かったのだろうと思います。その分、プロ野球熱もあったのでしょうね。
もちろん今もプロ野球人気はありますが今の時代とは熱量の性質が違うような気がしました。

高校の卒業式に出席するために地元に帰ることを当時の監督の三原監督に相談したところ、告げられた言葉が策士でした。

「一生の思い出のために故郷に帰るか、一生の仕事のためにここに残るか。君は今ぐんぐん伸びているところだが、まぁ自分で決めなさい」

選手の自主性に任せつつも、こう言われたら残る以外に選択肢はないでしょう(苦笑)

その思想の根源となるのは後半に出てくる"人を組織の鋳型にはめるのではなく、その人本来の形を生かして、積み重ね、強固な石垣とする。個人の力を最大限に引き出すのが、ひいては組織のためにもなる。"という言葉でした。
それは古くは武田信玄の"人は石垣"から始まり、山本五十六の"やってみせ"に続き、現代にも通じると思います。結局は人なんだと。そしてそれは今の時代でも変わらないと。

僕自身がイチローさんや野茂さんと同じ時代を過ごしたことを嬉しく思うのと同様に、稲尾さんと同じ時代を過ごして嬉しく思うプロ野球ファンは多くいるでしょうね。