妻を亡くして男手ひとつで2人の子どもを育てているシングルファーザーが決意した再婚。
息子の誕生日に喧嘩した夫と三人で入った高級寿司店。
少年野球最後の試合を迎えた監督の父と選手の小6の息子。
些細な日常をつづった12の物語。
重松さんの作品は「流星ワゴン」や「赤ヘル1975」などの長編物をよく読んでいるのですが、今回の短編物も素晴らしい作品の数々でした。むしろ沢山の話が読めるので満足感は大きいですね。
日曜日の夕方となると少しだけ寂しい気分になるのですが、この本を読むと少しだけ元気になります。
特に、最後の話で少年野球最後の試合を迎えた監督の父と選手の小6の息子をつづった「卒業ホームラン」。
不満な部分が見つからないくらい心温まる作品でした。自分も息子がいるので将来こういう心境になるのかなと思いながら読みましたね。序盤から中盤にかけての展開もいいのに最後のシーンでガンっとギアをあげて、そのままいい気分で読み終えることができました。
本当に温かくて読了は心穏やかになる素敵な短編集で良かった。