2003年、007を主人公とした小説が舞台に選んだのは瀬戸内海の小さな島・直島だった。
「もしかしたら島が映画の舞台になるかも!」
浮足立つ島民は熱狂し、本格的に映画の誘致活動を始めた。しかし、盛り上がる島民を横目に直島に暗雲が立ち込め始めた・・・。
実際にあった出来事がモデルに書かれているのですが、当時は中国・四国地方で生活をしていなかったので、事実を全く知りませんでした。
このためフラットな視点で読みましたが、なかなか香川県がひどいですね(苦笑) 根回しや施策の進め方について理解できなくもないですが、ここまでひどいのかなとも思います。そのあたりはフィクションなのでしょう。
章分けがたくさんありますのでページ数の割にテンポよく進むので思ったよりも読了に時間がかかりませんでした。一方で登場人物の名前が多いのですが、それぞれの個性が薄くて印象に残らない人も多くいました。そういった意味でもう少し登場人物が少ない方が直島という土地と人物にスポットライトが当たったのかもしれません。
後半の版権絡みと瀬戸内国際芸術祭は設定を考える上で面白いので、それぞれがもう少し厚めの内容で読みたかったですね。
物語の展開としては面白いので、直島の魅力を伝えきれていなかったのが惜しいなと感じました。