どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『ライオンのおやつ/小川糸』

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余命を告げられた人が残りの人生を過ごすホスピスが瀬戸内の島にあった。
主人公・雫も若くして残りの人生がそう長くないことを告げられ、このホスピスで生活することに決めた。このホスピスでは毎週日曜日に入居者がリクエストできる「おやつの時間」があり、雫もリクエストすることができるのだが、なかなか決めきれない。
様々な人と会い、残りの人生を過ごす中で雫が選んだおやつとは・・・。

以前に放送されていたドラマ「海の上の診療所」を思い出しましたね。
主人公とありますが他の登場人物や犬の六花にもしっかり焦点を当てていて、ある意味主人公不在の作品のように感じました。ホスピスという場所で残りの人生を過ごすため、それぞれの人をしっかり描いているからかもしれません。
瀬戸内に住んでいる自分でも、作品中にあるゆっくりとした時間が流れる場面など、どこか懐かしく感じました。
梢に対して雫のお父さんが雫の優しさを話したシーンはグッとくるものがありましたね。また、タヒチ君が雫との約束を守ったシーンは切ないのに爽やかで瀬戸内の風景によく似合っていたと思います。

帯に書いてあるように、毎日をもっと大切にしたくなる物語でした。