政治犯として捕まったチベットのドゥンドゥップとその妻であるラモ・ツォのアメリカへの亡命までが書かれていました。チベットに対する予備知識が全くなかったので少し難しい内容でしたね。もっと勉強しなくては。
自分が持っていたイメージは「高貴」と「不当な扱い」でした。
前者はダライ・ラマのイメージから来ているものですし、後者は時々流れてくるニュースレベルの情報なのでチベットについては全く知らないと言えます。
チベット人には表と裏の顔があると言われても最初はピンと来ませんでしたが、歴史的背景とこれまでの扱いを考えると当然でありやむなしのように思えてきました。
一方でラモ・ツォがアメリカへ亡命した同時期に欧州に亡命したチベット人女性・ソナム(仮名)の言葉が深いですね。
チョ・ミンドゥ(意味がない)
過去の出来事を悔やんでも、未来のことを不安がっても意味がない、今を生きるしかないのだという意味なのですが、新型コロナで混沌としている現代にも通じる言葉だなと感じました。
そしてドゥンドゥップが釈放される数日前にラモ・ツォが託したメッセージに書かれた一文が素敵です。
「愛する夫へ。わたしのことは心配しないでください。あなたと結婚した理由は、何があっても、たとえ充分な食料がないときがあっても、人生の美しい瞬間をあなたと一緒に分かち合いたいからです。」
本当の愛というものを見た瞬間でしたね。