コロナ禍になるまで黒字経営を行い、熱狂的なファンを持つ広島カープはどのような戦略を持っているか。企業コンサルトを行う著者が客観的な視点でその経営を分析しています。
近年のカープの戦略として思い浮かぶのが「ボールパーク」「カープ女子」「グッズ」だと思います。
新しい市民球場を造るに当たってMLBの球場を参考にしたというのは有名な話ですが、「日本にないモノ、ない発想は、海外から取り入れればいい。」とあるように、広く海外に視点を向けたことが成功につながったのでしょうね。
20年、30年前であれば日本のみに向けた視点でも大丈夫だったでしょうけど、インターネットが広く普及し、グローバル化が進んだ現代では否応なしに世界に視点を向けることが大事ですね。
また、ターゲット層を明確にし、その層をキャラクター化した「カープ女子」はメディアの協力こそあれど、マーケティングを行う上で重要な戦略だと思います。少し方向性がズレますが、東北楽天ゴールデンイーグルスや福岡ソフトバンクホークスなど、オール東北・オール九州をターゲットにした球団経営も同様ですね。
そして、若者をターゲットにしたファッションブランドなど様々な企業とコラボしながらスピード感のある商品開発はファンに飽きのこない魅力を提供しています。これまでのようにじっくり考え、じっくり商品を開発していてはすぐにファンが離れてしまいます。もみじ饅頭のにしき堂が「百試千改」を掲げていますが、それをスピードを持って対応しているから、グッズ販売も収益の大きな柱になっているのでしょうね。
今後、新型コロナ禍で更なる変化が求められます。
これまでとは違った戦略を求められますが、新しい視点、ターゲットの明確化、スピードは変わらず必要な要素ですので、広島カープの変化を楽しみにしたいと思います。