どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『ガソリン生活/伊坂幸太郎』

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愛車は緑のデミオ
母兄姉弟の四人で暮らす望月家の長男・良夫はある日偶然にも女優の荒木翠を車に乗せることになった。そしてその翌日に荒木翠は交通事故にあって死んでしまう。
翠を追いかけていた記者の玉田に知り合った良夫と弟・亨は、翠の真相を追い始めたが、その話の中心にあるのは緑のデミオだった。
車視点で進む物語、それぞれの愛車の目に映った真実とは・・・。

一人称の「僕」がデミオの事を指しているので最初は慣れませんでしたが、読み続けることによって慣れ始め、スピードも上がりました。伊坂さんの他の作品とは毛色が違うのですが、視点が違うので新しいミステリーといった印象で新鮮でしたね。
他にも姉・まどかの彼氏・江口、護身術を勉強している隣人・細見など、車たちの登場を邪魔しない程度にキャラクターが書かれていたので良かったですね。

車はいつかは廃車になるという運命と隣り合わせで、そこを気にしている点も車の視点ならではのように感じました。
だからこそ、最後のエピローグは綺麗な終わり方でスッキリしましたね。