どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『三人/桝本壮志』

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売れた芸人・佐伯と売れた構成作家・相馬、そして売れない芸人の僕の三人が暮らすシェアハウス。三人の立場が変化するに連れて内面においても変わるものと変わらないものが出てきた。コンプレックを抱えながらそれに戸惑う僕。昔と今を行き来しながら三人が成長する中で見たものとは・・・。

放送作家の桝本さんが描く小説は、おそらく自分のことと重ね合わせながら書いたのだろうなと思います。他の2人は同期であるチュートリアルの徳井さんとスピードワゴンの小沢さんかな。
全体的には会話のテンポがいいのでサクサクと読むことができました。情景描写は少ないのですが、会話の中で心理的な変化も書かれているのでそこまでの苦にはならなかったですね。

「人間は一人でいると孤独感がつのる。だから誰かといたい。けれど二人だと劣等感、三人だと疎外感がやってくるらしい。」

「家で寝ているとプライドが立ち上がり、立ち上がると自信が寝そべる。」

「人間関係は二本のロープと同じ。上下のロームを結ぶのは難しいけど、横どうしのロープは楽に結べる。」

上手く表現していますね。芸人さんと構成作家さんの話なので「名言を言うたった!」というドヤ感が多いですが、それも含めて人間味の出ていた作品だと思います。