海外旅行でインスタ用の写真を求める中年。
ネット依存の妻。
自分たちのコンプレックスを動画にする夫婦。
InstagramにLINE、ネット通販に動画撮影と、SNSやネットに依存する人たちを描いた三本の物語が綴られています。
芥川賞作家の本谷さんらしく、現代の闇が少し気持ち悪く書かれています。一番取っつきやすいのは最初の海外旅行の話ですね。「何かが目に入った瞬間から、インスタ用とそうでないものが明確に線引きされるらしい。」とあるように、本来写真は感動を切り取るものなのですが、SNSが発達した何時の頃からか、ある種の自尊心となってしまいました。リア充という言葉もあるように、写真に踊らされる気持ち悪さがありますね。
SNSに依存しないように使い倒すのがいいのですが、そのためには自分で物事を考え、アウトプットのやり方の1つとするのもいいでしょう。改めて「自分はどうかな。」と思わさせられました。