どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『ピンクとグレー/加藤シゲアキ』

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大阪から横浜へ引っ越してきた小学生の大貴が同じマンションで出会ったのは、歳も同い年の真吾(ごっち)。性格こそ違えど意気投合した2人は親友となった。高校生の時に何気なく引き受けた雑誌の読者モデルをきっかけに、2人は芸能活動を始める。
しかし、スターの階段を一段飛ばしでのぼるごっちに対して劣等感を感じ始めた大貴はやがてごっちと喧嘩をし、ふたりの間に溝ができた。
そしてある日、大貴がごっちのマンションで見つけたのは・・・。

直木賞候補にもなった加藤シゲアキさんのデビュー作です。
小説を書かれているのはしっていましたが今まできっかけが無かったので、まさに直木賞をきっかけにして読むことにしました。

読みやすい内容はよくも悪くも表現がシンプルなのだと思いますね。理解に時間がかかる表現が必ずしもいいとは思いませんが、一方でバシっと心に残る表現があったかと言われるとそれはありませんでした。
ただし、こういった葛藤は誰しもが持つという部分が共感できましたね。自分よりも早い出世であるとか、結婚や出産、転職なんかもそうでしょう。
他人と比べないことができれば楽な人生だと思いますが、他人と比べることによって自我が保たれているとも思います。

後半が少し尻すぼみのようにも感じましたが、タレントであり、アイドルが書いた小説という先入観があったとは言え、面白かったですね。