どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『子どもが増えた! 明石市人口増・税収増の自治体経営/湯浅誠・泉房穂・藻谷浩介・村木厚子・藤山浩・清原慶子・北山正恭・さかなクン』

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明石市や泉市長と聞くと,施策よりも「暴言」の方を連想される人が多いと思います。泉市長の「暴言」には背景があって,その部分を報道しているメディアもあるのですが,どうしても「市長が暴言を吐いた」という事実のみに注目されてしまっています。その背景部分について見てみると,本気で市民のことを考えている市長だなと思い,本書を読むことにしました。

「小学生に待機小学生はいない。もし望むんだったら市長室で私がおんぶ紐で(子供を)背負います。それが行政の責任です。」と言いきった描写を読んで,改めてすごい市長だと感じました。また,子供への施策というと,医療費や保育料の無償化などに目が行きがちですが,個人的には教育環境を整えることも大事で,そういった意味でも図書館の利用者数にも力を入れているところに共感できましたね。

一方で,「平準化すべきところと多様性が保証されるべきところをしっかりと区分けしていくことが大事です。」とあるように,AもBもここまではやる,ここからはAだけやるといった明確性も大事なのだと思います。行政は往々に「公平性」に縛られてしまいますので。

地方から東京圏に毎年12万人弱が流出している一方で,その半分にも満たない人口を戻せれば地域は安定するというように,いかに地域に人を呼び込むかについてここ何年も「地方創生」という言葉を使って議論されてきました。そこには近道はなく,自治体としての明確なビジョンをエリアの内外で共有することが大事だと思います。

公務員バッシングや議会バッシングをしてカタルシスを得る社会は不幸だと書いてあるように,そうならないようにするにはどうすればよいか,コロナ渦の今,考える必要があるのでしょうね。