勉強を教わった子供たちは往々に成績が上がっていく。そんな大島吾郎の強弁に目を付けたのはひとりの少女の母親・千秋だった。
やがて学習塾を開き、時代の流れとともに自分たちも、そして塾も成長していった。結婚、出産、経営方針の相違、文部省との軋轢。
戦後のベビーブームや高度経済成長とともに、教育とはどうあるべきか。そして、出した答えは・・・。
三世代に渡って物語が進んでいくのですが、個人的には一郎の話が一番好きですね。
学歴社会が少しずつ少しずつ崩れていく中、本当に必要なのは考える力です。作中にもありましたが、ダーウィンやアインシュタインなどの天才も頭の回転は速くなく、粘りに粘った結果が偉大な仕事に繋がりました。
当時と違ってスピードが求められる時代になっている以上、行動力も必要であり「考える力」×「行動力」の結果が、勉強でも仕事でも何でも成功に結び付くのでしょう。
また、藤浦社長がスポンサーに名乗り出たシーンがとても良かったですね。
見た目は金髪でも一生懸命に行動する一郎が人の心を動かした瞬間でした。
ボリュームもあり、展開の変化も激しいので気を抜くと迷子になりそうですが、それでも教育について勉強にもなる作品です。