どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

【はなさかじいさんはベンチャー企業の社長だった。】

童話に「はなさかじいさん」というお話があります。
「枯れ木に花を咲かせましょう」という文字どおり、沈んだ世の中を明るくするような話なのですが、ふと疑問に思うことがありました。

童謡「はなさかじいさん」の歌い出しで、「うらのはたけでぽちがなく」とあります。
・・・ぽち? 今はひらがなで書いていますが、これってポチのことですよね?
となると、犬の名前がハイカラ過ぎないでしょうか??

そもそも、はなさかじいさんの起源を調べてみると、はっきりしたことはわからなかったのですが、遅くとも江戸時代初期の赤本には既に記載があったようなのでその頃には創られていたと考えられます。諸説によると室町時代末期には創作されていたのではないかと言われていますね。
一方で、ポチの語源はフランス語圏の宣教師が犬を見て「 petit (プチ/小さい)」と呼んだのを日本人が犬の名前と間違えた(いわゆるカンガルーと同じ)説を始め、諸説あるのですが、一般的に犬に付ける名前として広まったのは明治時代のようです。

そうなると明らかに時代背景がおかしいですよね。明治時代に広まった犬の名前がなぜ室町や江戸の時代に既に付けられていたのか。
ここで考えられるのはこのおじいさんに先見の明があった、いわゆるベンチャー企業の社長だったのではないかという説です。

例えば、裏の畑と大判小判。
おじいさんとおばあさんは日本では珍しい広大な土地を使い、AIやIoTのデジタルを活用して天候や作物の生育具合、今後の市場予測などを徹底的に管理するスマート農業を行いながら、成功を収めていたと考えられます。
しかもそれだけでは終わらず、農業で得た利益を大判小判という金に換金することで投資を行っていたのではないでしょうか。
当時、銀行や投資会社も無かった時代なので、おじいさんは今後金の価格が高騰するという自分の予測に時代が追い付くまで、畑の中に埋めていた。それをうっかりぽちが掘り当ててしまったのでしょう。


それをたまたま見た意地悪じいさんは、ぽちが示すところを掘れば大判小判が出てくると勘違いのではないでしょうか。

そこで同じようにぽちに自分の畑を掘らせましたが大判小判はでてきません。当然ですよね。

今の世の中も即効性のある成功を求めて小手先のノウハウばかりを求める人が多くいますが、成功した人は少なからず莫大な努力に時間を費やしています。
おじいさん(以下、正直じいさん)も失敗に失敗を重ねた結果、スマート農業に辿り着いていますし、その経験を踏まえて金投資を行っていました。
だから、それを上っ面だけマネをした意地悪じいさんの畑から大判小判が出てくるはずはありませんし、もちろん成功することもありません。

正直じいさんに比べて圧倒的に努力量が足りないのですから。


それにも関わらず、意地悪じいさんは逆恨みをしてポチを殺害してしまいます。
まったく身勝手ですよね。自分の努力量が足りないのを棚に上げて成功者を妬むのは、成功しているYou Tuberを妬むのと同じです。

ぽちを殺害された正直じいさんは庭にお墓を作りました。そのお墓が雨風を避けるために木を植えたのですが、その後大きくなった木を切ってウスを作っています。
その理由として、ぽちが正直じいさんの夢の中に出てきてウスを作るよう助言したと伝えられていますが、実はこのエピソードにも正直じいさんのベンチャースピリットが発揮されたのではないかと考えられます。
正直じいさんは、ウスで作った餅を一般の登録制村人が顧客に届けるという仕組み「User Eats(ウーサーイーツ)」という仕組みを考えだしました。このサービスが大ヒットし、ここでも収益を上げることができたと考えられます。
そして、もちろん得られた収益は金に換金して投資を続けました。
この間の部分が、年月が経つにつれてどんどん削られ、結果的にウスで餅をつくと大判小判が出てきたと伝えられたのではないかと考えられます。

一方で、意地悪じいさんも正直じいさんのウスとアイディアと盗んで、User Eatsを始めました。
しかし、ヒットするはずがありません。すでに正直じいさんが切り開いた市場は、当時はブルーオーシャンだったものの、今は完全なるレッドオーシャン。二番煎じで参入した意地悪じいさんのサービスが、市場を独占している正直じいさんのオリジナルのサービスに勝てるはずがないのですから。
そこが正直じいさんのエピソードと同じように、年月が経つにつれて少しずつ変わっていったのだと思われます。

そして、ここでも意地悪じいさんは逆恨みをしてウスを壊し、燃やして灰にしてしまいました。叩き割るだけならまだしも、燃やしてしまうとは、たぶん気分がハイになっていたのでしょうね。
もはや「意地悪じいさん」ではなくて「ウス割るじいさん」です。


大切な愛犬のぽちを失い、ウスが無くなったことでUser Eatsというサービスもできなくなってしまいましたが、これまで幾多の苦難を乗り越えてベンチャー企業を立ち上げた正直じいさん。今回の苦難でもベンチャースピリットを失うことはなかったのでしょう。


正直じいさんが目をつけたのは、ウスを燃やした時に出てきた灰。
一般的に灰の活用で思いつくのは草木灰。石灰分や水溶性のカリウムを含んでおり、即効性のある肥料となります。鎌倉時代から使われていた肥料で目新しいものではないのですが、正直じいさんが目を付けたのはそれを使う場所。
本来、スマート農業で大勢していた正直じいさんですから、この肥料も自身の大規模農場に使うことを想定できますが、そこは農場経営とともに得られたデータを分析し、どのタイミングでどれくらいの量を使うか分析したうえで、枯れた桜の木に使う決定を下したと考えられます。
なぜなら、桜の花が咲けばそれを目当てに来る人たちが増える。しかもその桜の木が愛犬ぽちの悲しい出来事からつながって咲いたとなると、民衆の心に届く物語(ストーリー性)としても十分のものとなっています。
そして人が動けば経済が動き、市場が生まれます。それは自分の畑の農作物を活用したオーガニックなスイーツの売上高アップだけではなく、そのぽちの桜に隣接する村にも利益をもらたらします。
自分の畑にだけ草木灰を使っていれば自分だけの利益に留まっていたでしょうが、村全体の収益を見据えて桜の木を咲かせることで、市場の拡大を図ったのでしょう。
それは結果的に正直じいさんへの信頼性を向上させました。桜の木の維持管理には多額の費用が掛かりますが、その費用もクラウドファンディングで募ればものの数日で集まるようになりました。

最終的に、正直じいさんの信頼が桜の木の維持管理と村の繋がっていったと考えられます。


こうして考えてみると、正直じいさんの愛犬ぽちの名前にまつわる色々なエピソードがあったことが考えられます。
そして、この「はなさかじいさん」のお話の教訓である「チャレンジすること」と「皆で勝つこと」は、現代にも通ずるところが多くあるように思えます。


何かと暗い話題も多く、気が沈んでしまうこともあります。
それでも、いろいろなことにチャレンジしながら皆で歩んでいくことが大事ですね。


心に花を咲かせながら。