新しい一万円札の肖像画になる予定であり日本実業界の父とも呼ばれる渋沢栄一の教えが書かれています。
「人生の道筋はさまざまで、時には善人が悪人に負けてしまったようにも見えることがある。しかし、長い目で見れば、善悪の差ははっきりと結果になってあらわれてくるものだ。」
一冊を通して、この言葉が軸になっているのだろうと感じました。長い目で物事を判断することが必要だと。
現代はインターネットの普及に伴ってスピードが求められる社会になりました。一方で成果はどんなものでもすぐに現れるものではないので、じっくり根気強く継続することが大事ですね。行動は速く、結果は遅くなのだと思います。
「成果をあせっては大局を観ることを忘れ、目先の出来事にこだわってはわずかな成功に満足してしまうかと思えば、それほどでもない失敗に落胆する――こんな者が多いのだ。」
これも同じことなのだと感じましたね。
また、「お金についてはよく集めることを知って、よく使うことを知らないと、最後には守銭奴になってしまう。」とあるように、特にお金の稼ぎ方よりも使い方を学ぶのが大事なのだと最近は思うようになりました。
わかりやすいのは貯金ですね。貯金自体が悪ではありませんが、それによって失う体験であるとか、時間を考えた時に、どちらが大切かを見極める眼力も鍛えないといけないと改めて感じましたね。
明治時代の思想なので現代に合わない部分もある一方で、普遍的なものもあって勉強になりました。