テロ対策の強化に加え、荒天とクリスマスが重なり、空港の保安検査場は見たことがないくらい混雑していた。その厳重管理の中で8歳の子供がいなくなった。しかし、この警備の中を潜り抜けることは考えにくく、誘拐か、それとも超常現象か。新聞記者のグレッグは真相を
改名するために調査を始めた。そこに絡んでいたものとは・・・。
まず、タイトルが抜群にいいですね。
しかも舞台が日本ではなくアメリカのロサンゼルスが素晴らしくて、上手く和と洋を絡めていました。アメリカの法律や生活習慣、人名に馴染みは無いのですが、そこまでの読みにくさはありませんでした。
終盤まで山と谷が淡々と繰り返されていたのですが、最後で物語がぐんぐん加速しましたね。ラストにグレッグ夫妻と子供が話をしたシーンはとても温かな気分になりました。
子供に対して「困った時、いつでも電話するといい。おじさんも今日からダイヤモンドバックスのファンになったから・・・」と、子供の好きな野球チームを言う場面は頬が緩んでしましました。
またグレッグが離婚協定書の改定に応じるシーンは反対に泪がでそうでした。
ミステリーとプライベート、アメリカと日本のバランスが絶妙でしたね。
池井戸潤さんや橘玲さんなど、金融の知識がある人の小説は好みに合うものが多いです。