本自体はぶ厚いですが、注目すべき取組みについて細分化して書かれており、また成毛さんが重要だと思う部分にはラインが引いてあるので理解しやすかったです。
マーケティングには4Pが必要だと言われており、アマゾンはそのうちのPlace(流通)に特化した企業だと思っていました。その証拠に最短で当日に配送できるAmazon Primeは何気に凄いサービスだと思います。また、自前で航空機を用意していることや徹底的に物流に投資をしているところからもそう感じていましたね。
だからこそ、ネット通販事業が赤字と言うのは意外でした。
儲けの軸をずらすというのは最近よく聞くことで、自動車であれば車本体ではなくメンテナンスで収益をあげたり、吉野家が牛丼本体ではなくてサラダやみそ汁などのセット商品で収益を上げているのは知っていました。ただし、amazonのような大企業がそれをやっているとは思いませんでしたね。
その仕組みをつくるために商品が発売される30日前にすでにお金が手元に入っているいう預り金の手法やクラウドに力を入れているのは知りませんでした。
また「出品企業の直近の販売履歴や在庫情報までをも把握しているアマゾンからすれば融資時点での経営状態を正確に把握するのはお手のものだ。」とあるように投融資でも、近いうちにamazonにスポットライトが当たる日が来るでしょう。
これからの時代はモノではなく、仕組みを作る人が上位になる時代です。
そういった意味でも失敗を繰り返してヒットを作るという経営方針のもと、赤字覚悟でも新事業への投資をいとわないamazonが世界のトップランナーとして居続ける時間は短くないでしょうね。