イベント会社の新入社員・川内美月が思い付きで作った企画「2泊3日遺言ツアー」は、温泉旅館に宿泊して遺言書を書き上げるというもの。
参加者は4名ながらも癖のある人ばかり。おまけにトラブル続きで1人でツアーを仕切るはめになった。
参加者それぞれが人生や家族のことを振り返り、無事に遺言を書き上げることができるのか。
遺言の大事さは理解しながらも、そこまで深く知ろうと思っていませんでしたが、読了後は少しだけ身近に感じられるようになりました。遺産うんぬんよりも人生を振り返り、整理するという意味で遺言と向き合うことが大事なのでしょう。
幸助や太陽などが徐々に心を開いていったのも美月が真摯に遺言と向き合ったからですね。テーマは決して軽くはないのですが、構成がポップにされているのでスラスラと読むことができました。「限界集落株式会社」もそうですが、このあたりは作者の黒野さんの凄いところですね。
一生懸命が伝われば人は心を開くということですな。