香港で生活するコンサルタント・工藤の前に、麗子と名乗る美しい女性が現れた。
彼女が工藤に相談したのは、五億円を日本から海外に送金し、損金として処理する方法、すなわち脱税の方法だった。そして四ヶ月後に麗子は五億円の十倍の五十億円とともに姿を消した。麗子の行方は・・・。
タイトルの「マネーロンダリング」を始めとする、金融が作品のテーマなのですが、凄くわかりやすいです。
全く金融の知識がない自分でもおおよその意味を把握しながら、通常の読書と同じくらいのスピードで読めましたね。
金融の描写も去ることながら、お金というものに群がる人間の濁った部分が鮮明に書かれており、それが相乗効果となっていました。
金融×ミステリーのバランスが絶妙で緊張感を持って最後までだれることなく読めましたね。
是非一度読んでもらいたいですし、この作品がデビュー作みたいなので、他の作品も読んでみたいです。