1980年代後半のバブル期ど真ん中に進学のため上京した長崎出身の横道世之介。
18歳の彼はどこにでもいるような普通の大学生で、ホテルのアルバイトを頑張りながら大学に通っていた。推しの弱さゆえに加入したサンバサークル、同級生倉持と阿久津の突然の結婚・出産、そしてお嬢様である祥子との恋愛。
様々な人との出会いと出来事の経験が世之介を成長させていった。決して彼のことを悪く言わない仲間たちに囲まれながら世之介が見たバブル時代とは・・・。
大学一年生の世之介が過ごした時期を12か月に分けて書かれています。いい意味で緩急の差が小さく、それが平凡な自分にとっても共感となりました。ギラギラ感もなければ腐る感じもたく淡々と目の前のことに取組む世之介の姿は今の時代の生き方に通じるところがあるかもしれませんね。
そして倉持や加藤といった男友達が誰も世之介のことを悪く言わないのもいいなと思いました。同性に愛されているかどうかでその人と成りがわかると思います。そういった意味で人を気づ付けない世之介の生き方はいいですね。
自分の学生時代にも同じように人を傷付けない同級生が居ました。ふと、そいつのことを思い出しましたね。