どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『経済特区自由村/黒野伸一』

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外食産業の雄「ヘルシー☆ファストニッポン」と提携してブロイラー養鶏場を始めた鈴木明男だったが、言われるままの設備投資で借金はかさみ、倫理観を疑うファストニッポンのやり方に苦悩する。やがて自分を見下す営業マンを突き飛ばした結果、営業マンは頭を打って動かなくなった。
自家用軽トラックで逃亡した明男が無我夢中で運転してたどり着いたのは自給自足が推奨された山奥の神山田村。そこにはFEE(フリーエコノミー&エコロジー)を提唱する民人という若者がおり、住民はこの理念に賛同して活動を行っていた・・・。

限界集落株式会社を書かれた著者の作品ですが少しだけテイストが違いました。
全体的にはうまくまとまっており、資本主義と反資本主義について考えさせられましたね。どちらも正解だと思うのですが今の世の中はSDGsに代表されるように反資本主義の流れになっているのかなと思います。

一方で洋子が語った"機械に頼らない手作業は非効率であり時間もかかる。こんなことばかりやるよりももっと有意義なことに時間を使うべきではないか。"というのは一理あると思います。
時間をお金で買って、その時間で自分なり社会に投資する方がリターンが大きい場合もありますね。そう考えると必ずしもお金が悪いとは思いません。お金が悪い・汚いというイメージを持たれるのはお金の使い方が悪いからでしょうね。

インパクトは限界集落よりも小さいですが、メッセージ性は強い作品だと思います。