専業主婦の小夜子は、子育てに参加せずに自分を見下す夫・修二や義母の嫌味にも耐えながら生活をしていたが、子どもを保育園に預けて働くことを決意。
就職活動をするも不採用が続くなか、小夜子を採用したのは小夜子と同じ年齢の葵だった。仕事は色々な場所での出張掃除。掃除をしながら、そして自分と同じ年齢なのにバリバリ働く葵に出会ったことで、小夜子の中で何かが変わりだす。
小夜子の視点と子どもの頃の葵の視点で話が進みます。二人の女性の視点で書かれていているのですが、男の自分が読んでもあまり違和感を感じなかったので、女性の世界は大変だなといった印象です。
そう言えば、男性を軸にした黒い部分の小説はあまり見ないのですが、共感が得られにくいんでしょうね。
「海ってさ、浄化作用があるよね。」
この言葉が凄く共感できました。何時間見ていても飽きないのは、心の黒い部分がどんどん流れ出ているからでしょうね。
全部きれいになったら満足するのだろうなと。
女性向けかもしれないと薦められましたが、わりと読みやすくてスッと読めました。