どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『みかん、好き?/魚住直子』

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「みかん、好き?」

高校生の西村拓海が不意に出会った長谷川ひなたは少し変な方言を使う女の子だった。そのひなたはみかんを求めて拓海と同じ高校に転校してきたのだった。ひなたのペースに振り回されながら、いつのまにか祖父の畑で一緒にみかんを育てることに。同級生・柴も含めた三人の青春がみかんを軸に回り出す。

作者は学生時代を広島で過ごしたそうです。広島県には「とびしま海道」という風光明媚な場所があるのですが、この作品を読んでとびしま海道を連想しました。緩やかな時の流れの中で登場人物みんなの温かいやり取りがあって、優しい小説でした。
自分も高校生の時に読みたかったですね。

拓海とひなたのやり取りもいいのですが、拓海と柴のやり取りも良かったです。特に柴が「付き合うなら三個上の女性に甘えたいとい」と言ったのが面白かったですね。

とびしま海道で波の音を聞き、みかんを食べながらもう一度読んでみたい小説でした。