陸上の名門高校で長距離選手・眞家早馬(まいえそうま)は将来を期待されていたが、大けがを負ってリハビリをすることになった。リハビリ中に調理実習部の都と出会い、料理にハマることに。
弟で同じく長距離を走る弟・春馬、部長の親友助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に願うも、相馬はそのまま陸上から離れてしまう。陸上から離れた相馬と周りのみんなの思いが入り交じる中、駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先には・・・。
早馬の視点を軸にしながらも、次々と視点が変わるのですが混乱することなく読めました。よほど描写を丁寧書かないと誰の視点かわからなくなってしまうので、しっかりした小説です。
料理の美味しさと陸上の疾走感を出すのも難しいと思うのですが、そのあたりも上手く書かれていましたね。
また、自分も肉離れで戦列を離れていたことがあるのですが、完治してからも怪我前と同じようなプレイができるかという不安はありました。
さらに自分は弟の立場なので同じ競技をする兄は越えられない高い壁でしたが、兄からすれば弟に越えられるかもしれないという緊張感があったのかもしれませんね。早馬の心境を見てそう感じました。
助川と都のしし唐辛子のエピソードなど、陸上が軸ながらも上手く料理が絡んでいましたし、タスキメシというタイトルもいいですね。高校の課題図書のなったのも納得の熱い小説でした。