どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『桜の下で待っている/彩瀬まる』

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桜が日本列島をピンク色に染める4月、東北新幹線が運ぶ男女5人がそれぞれの行先で待つものとは・・・。目的は皆それぞれで婚約者の実家を訪ねる者。亡くなった母の七回忌に出席する者などなど。
桜と東北をキーワードに5つの短編が心も春色に染め上げる。

どれも爽やかな作品で読んでいて爽やかな気分になりました。
モッコウバラのワンピース」それなりの年齢なのに旅先で恋に落ちたおばあちゃんが恥ずかしそうに言った台詞がいいですね。

「新しい、きれいなワンピースを着て誰かに見せたいなんて、もう長い間、考えたこともなかったんだ。」

男性はあまりこういう感覚を持たないような気がするので、女性の心の繊細さを表したひと言だと思いますね


「からたち香る」では結婚の挨拶にいった律子が、由樹人の故郷で感じた描写も良かったですね。

"東京では誰よりも近い二人でいられるけど、この土地には私の依存よりもさらに深く、由樹人に染みついているものがある"

男性はこういうところに鈍感なので、我が事のように背筋が伸びました。


最後に新幹線の販売員さんの視点で書かれていたのですが、お客さんを見ながら販売員さんならではの心境を描いており、早速新幹線に乗りたくなりました。