どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『Iの悲劇/米澤穂信』

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六年前に集落の住民がいなくなった南はかま市簑石。この土地に人を呼び込むためのIターン支援プロジェクトを実施するのは、新人の観山、課長の西野、そして公務員らしい公務員の万願寺の三人が所属する「甦り課」。人を呼び込むことは簡単ではないが、それでも簑石を求めて人は集まってきた。
しかし、彼らの回りに不可解な事が起き、移住者は一人去り、また一人去り・・・。

移住者ごとに短編のミステリーが綴られていました。序盤は優しいミステリーが続いていたのですが、後半に向かって内容が濃くなっていきます。
移住者の話の合間に、地方で働く万願寺と合理性を求めて東京で働く弟が電話で話す章があるのですが、上手にアクセントになっていましたね。

そして最後にどう終わらすのかなと思って読んでいましたが、タイトルどおりハッピーエンドではなく、さらに予想を裏切られた意外な展開。公務員をテーマにした作品はハッピーエンドが多いイメージなので、そういった意味でも面白い作品でしたね。