10年前、京都で過ごした主人公・大橋たちは鞍馬の火祭りを訪れたが、その祭りの最中でメンバーの長谷川さんが突然消えた。
10年後、長谷川さんを除く6人は再び鞍馬に集まった、夜が更ける中、それぞれが10年間の間に旅先で体験した不思議な話を語り出した。まったく関係のない体験談なのに、一つだけあった共通点。それは全員が画家・岸田道生の描いた「夜行」という絵に出会っていたのだった・・・。
風景描写が綺麗で舞台となっている場所は尾道以外行ったことがないのに、津軽も天竜も頭に浮かんできました。また、人物像も人間の闇のような部分がしっかりと描かれており、それが夜と相まって不気味さを加速させていました。
ただし、最終的な結びに対して自分の理解が追い付いていないので、「どういうこと?」という疑問が残りましたね。
もう一度読めば理解できるのかもしれませんが、読了後の爽快感や納得感を求める自分としてはツボにはハマりませんでした。