どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『水やりはいつも深夜だけど/窪美澄』

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ブログではセレブママの評価を受けながら、現実世界での周りの評価にビクビクする主婦、仕事が忙しく普段子育てに参加できないことから、妻や義理の両親から冷たい目で見られる夫など、家族の葛藤を表現した物語集。

窪さんの初めて読んだ作品が「ふがいない僕は空を見た」だったので、その印象が強かった分、意外な印象の作品でした。
とは言え、家族の心理描写を上手く表現してい思えます。 「砂のないテラリウム」で公園に行った時に、妻が静かに「うちも、離婚する?」と言ったところからのラストへの加速が凄かったです。当然に主人公が悪いのですが、激しく怒られるよりも静かに怒られる方が遥かに堪えますし。

また「サボテンの咆哮」で床に転がったサボテンのとげが主人公の手に刺さるシーンは、「どうしろっていうんだよ」という心境にリンクして、主人公の心にまで刺さったような印象を受けました。

共感しすぎないような絶妙な距離感をとった表現に、窪美澄という作家のイメージがガラッと変わりましたね。
凄くいいタイトルなのですが、由来は何なのでしょう?