ゴースト編から続く第四段。
日本の農業を救うためにトランスミッションの開発に歩みだした佃製作所。帝国重工に激しい憎しみを持つダイダロスとギアゴースト。大企業のしがらみに苦悩する財前、佃製作所を辞め、家業の農業を継ぐも地元での軋轢に振り回される殿村。
様々な人たちの様々な思惑が絡まる中、佃製作所の未来は・・・。
話の持って行き方の上手さは、さすがの池井戸クオリティでした。もっと先が読みたい、もっと先が読みたい。その繰り返しであっという間に読了になったような気がしますね。特に島津を迎え入れたときの流れがとても良かったです。
「一般的に正しいか正しくないかという以前に、その会社にとって正しいかどうかというダブルスタンダードがある。」
「世の中の価値観、世の中の正義。そんな当たり前のことが自分達の都合で脇に置かれ、忘れ去られる。」
この言葉が印象的でした。
民間企業に限らず仕事をする上でに正しいだけではやっていけない場面に遭遇することはよくあります。本当はこの言葉のとおり行動できれはいいのですが・・・。だから下町ロケットのような勧善懲悪の物語に共感するのかもしれませんね。
自分も頑張ろう。読了後にそう感じました。
余談ですが、ドラマでは立川談春さん演じる殿村の趣味が落語という細かい描写にクスッときましたね。