広島を舞台に愛犬「小夏」と飼い主・真央や真央の家族との愛を描いた「ニューサマーオレンジ」。
鎌倉を舞台に愛猫・麦と重病の慎也、慎也の妻・智美との関係を描いた「麦ねこ」。人間に寄り添う犬と猫の視点を交えた2つの物語。
エンジェルボールでもそうでしたが、飛騨さんの作品に出てくる登場人物は優しい人が多いですね。読了後の気分がいいです。
ニューサマーオレンジは、舞台が広島なので情景が頭に浮かびますし、登場人物の名字に広島の地名が使ってあるのもいいなと思いました。とにかく爽やかで舞台にマッチしていると思います。
麦ねこは、難病故に籍を入れなかった慎也に対して智美が言った言葉が一番印象的でした。
「自分の生涯は、先生と同じ苗字で終えたいんです。」
信念のある人だなぁと。そして、ここまで言ってくれる人がいる慎也は幸せ者ですね。
このふたつ作品がリンクしていたら良かったかなと思ったのですが、変に絡めると中途半端になるので、やっぱりこれは独立した2作品がいいですね。