17歳の遠馬は父と父の女の琴子と暮らしており、一つ年上の幼馴染、千種と付き合っていた。
性癖のある父と自分は違うと自らに言い聞かせながらも、込み上げてくる何物かを押さえることができずに・・・。 下関での祖母と曾祖父との生活を描いた「第三紀層の魚」との二部作ですが、個人的にはこちらの方が好きですね。「共喰い」は芥川賞受賞作らしく、人の闇のようなものを絶妙に書いてあるのですが、読了後に少し気持ち悪さが残りました。
作品としては「共喰い」の方が好みが別れるでしょうし、「第三紀層の魚」の方が万人受けすると思いますが、「第三紀層の魚」も人の心理が上手く書かれていたと思います。