どちらかと言えば、つぶあん派です。

はじめまして、よっさんと申します。1982年、広島県生まれ。「あひるの空」とゆずの「夏色」とチキン南蛮を愛する一児の父。瀬戸内を盛り上げるために日々奮闘するも、泳げないのがタマニキズです。

『舟を編む/三浦しをん』

今週のお題「2019年の抱負」

 

出版社の営業部から辞書編集部に異動になった馬締が新しい辞書『大渡海』の完成に向けて、長い航海に出掛けた。ベテラン編集者や学者、同僚にアルバイトを初め、辞書作りに情熱を燃やす面々と馬締が恋をした女性。多くの人間模様と人生がひとつの辞書によって結び付く。

 

辞書がテーマだけあって作品内の表現も素敵な言い回しが多かったように思います。
「恋の炎にあぶられ、煮物が炭化する。」や「赤べこのように律儀に頭を下げてまわった。」などの表現が好きですね。

 

他にも、馬締が香具矢に宛てた恋文や最後のパーティーのシーンも好きなのですが、岸辺と宮本に対して香具矢が言ったセリフが一番印象的でしたね。

 

「料理の感想に、複雑な言葉は必要ありません。『おいしい』の一言や、召し上がった時の表情だけで、私たち板前は報われたと感じるのです。でも、修行のためには言葉が必要です。」 言葉とは記憶であり、記憶を呼び起こすとは言葉で表すこと。

 

かなり深いと感じましたし、それと同時に言葉をもっと大切にしようとも思いました。

派手さは無いのですが、いい作品ですね。