小学校からの付き合いが続く三人も50歳となって熟年となった。市議会議員として駅前開発に奮闘するハチベエ、そのランドマークタワーに入るホテルの内装という大きな仕事を得たモーちゃん。新しい中学校に異動し、3歳になった息子の子育てにも奮闘するハカセ。
三人が三人とも忙しい毎日を送る中で、ミドリ市に豪雨災害が発生した。
大人になった三人組が見て、考えて、感じたこととは・・・。
少年時代から続いていた物語も本作で完結となりました。
小学校時代によく読んでいましたが自分よりも年上の三人組は、自分がこれから迎える世界を先に歩んでいるような感じもしましたね。
作者の那須先生が広島市出身ということもあって、駅前開発と豪雨災害は現実の世界ともリンクするところがありました。特に豪雨災害については書くか書かないか悩まれたんじゃないかと思いますが、丁寧に書かれていたように思います。
よくも悪くも最後が平凡な感じで終了しましたが、少年時代の物語が波乱万丈過ぎたのでいいバランスなのでしょうね。
これを最後に新作が出ないのは寂しいですが、また少年時代に戻って作品を読むのもいいのかもしれません。
何かと不安定な日々が続きますが、読むと心が落ち着くような作品でした。