自殺をはかった財務省官僚のノートに残されていたのは昭和初期の経済政策。そして、自殺が信じられずメモの謎を解こうとした上司が見たものは、知ってはいけない国の闇の部分であった・・・。
著者は経済ホラー小説と称しており、ミステリーと違って答えの分からない短編が綴られていました。短編にも含まれている「財務省の階段」というタイトルがとてもよく、それぞれの作品が個々に繋がっているからこそ、少しもったいない内容だったですね。
例えば、各作品のつながりももう少しつながっていても良かったかなと思いますし、オチの部分も「世にも奇妙な物語」のような雰囲気で、消化不良のような感じがしました。
タイトルどおり、「財務省の階段」が一番面白かったかなとは思いますが、謎もシンプルでスラスラ読めたこともあって印象が薄い作品です。