広島に住んでいるので割と今治タオルには馴染みがあるのですが、その今治タオルが全国区になるまでの物語について書かれていました。
以前に読んだ佐藤さんの著書はピンとこなかったのですが、この著書はスッと入ってきましたね。
僕自身は伝えるべきことをしっかりと伝えることがブランディングになると思っているので、「イノベーションは必ずしも現状を否定することではなく、足元をしっかり見つめ、本質に立ち返ることで問題解決のヒントが見つかる場合が少なくない」という意見に共感しました。
また、すべての地域・地方に通じることではないかもしれませんが「産地の復活」という言葉は的を得ていて、そういった意味でも今治タオルのブランディングは成功に向かっていますね。一方で「一日では築けないのに、一日で失うのがブランディング」とあるように、コツコツと積み上げていくことが大切で、階段の一段飛ばしのように進むと必ずどこかで足を踏み外してしまいます。
ブランディングを図ろうとするものは体力がないものが多く、長期戦に耐えられないのもわかるのですが、結局は地道な積み重ねが一番の近道になるでしょう。そして必ず踊り場に到達するときが来ると。このときに本当のブランド力が試されるのでしょうね。
愛媛県今治市は人口15万人の街でそれほど大きくはありません。
その今治市がブランド戦略で成功しつつある(あえて成功したとは触れていません)のを見ると、自分たちの地域でもできそうな気がしてきます。
そうやってその土地に住む人たちが前を向き始めた時に、本当の意味でのブランド化がなされているのだと思います。