江戸時代の代表的な浮世絵師"葛飾北斎"の娘・お栄。偉大な父の背中を追って絵の世界に入るも、夫との別れ、
北斎の看病、厄介者の甥っ子が起こした事件の尻拭いと大変な日々。
そんな中にも恋心を抱き、プライドを持って絵と向き合いながら成長していく。
朝の連続テレビ小説になりそうな気がしましたが、既に宮崎あおいさんが主演で昨年ドラマ化されていましたね。こちらも見てみたいです。
時代物特有のテンポのいい会話が面白かったですね。複数の章から構成されており、各章の締め方も良かったです。注文をつけるなら、どれか尖った話があっても良かったかなと。
最終章の最終ページの追い上げが凄いです。
「一筆二筆のうちに、筆外の意が現れる。それはある時、ふと得られるものだ。でもすぐに逃げて見失う。その繰り返しこそが画業だ。」
この言葉が好きです。結局は努力の先に答えがあるのだと。