高校の同級生だった加地くんと巧くんと奈緒子。加地くんと奈緒子は付き合っていたが、加地くんは事故で帰らぬ人に・・・。奈緒子が加地くんのことを忘れられないのを知っていながら、温かく付き合う巧くん。
奈緒子のお父さんや妹らも交えた人間関係を流れ星が繋ぐ。
綺麗な小説だなという印象です。登場人物も少なくないのですが混同しないのは作者が丁寧に書いているからでしょうね。この年齢でこれだけ思慮深い人は早々いないでしょうけど(苦笑)
やはり加地くんと巧くんが、文化祭の準備で夜中に忍び込んだ学校でプラネタリウムを作るシーンがいいですね。そして、当日加地くんが奈緒子に想いを告げるシーンも良かったです。流れ星に掛けた巧くんの願い事がいいなぁ。
また商店街を歩く奈緒子と巧くんの「鼻歌が重なる」という表現がすごく良いです。
全体的に綺麗な小説ですが、この2か所が特に印象的でしたね。
星がテーマなので映像で見たい気もしますが、これはたぶん映像ではできないので、やはり文章で理解すべき作品です。