よくある働き方改革の本かと思ったら大間違いで、データあり、例示あり、他の取組みとの連動性ありで、中身の濃い内容でした。
第六章の最後に書かれてあった、"ワークライフバランス、ダイバーシティ、女性活躍、少子化、働き方改革は、じつは全部一緒なのだ。"というコメントが全てになりますね。
主に女性活躍について書かれていましたが、女性が(男性もそうですが)多様な働き方をできることによって、それが少子化対策にもつながるという発想は、今の国の取組みを見る限り頭に無いでしょう。
保育園を増やすことも大事ですが、それよりもそこを考えることが大事だと思います。
"必要なのは「子育て環境」ではなく、まずは「安定した両立可能な仕事の多さ」である。"
そういった意味でサイボウズは凄いなぁと。
実際にワンオペ育児という言葉もできましたが、一人で家事と育児の両方をするのは絶対に無理です。仕事も加わってくれば尚更です。
一方で"男性が自分だけが生涯年収を今より二億円以上増やそうとしても、かなり難しいだろう。つまり男性一人が働きすぎることで、家計的に損をしているし、女性にし仕事をさせないことで、日本の国力としても非常に損をしてているのだ。"とあるように、いかに男性の仕事への注力を減らし、家事・育児に参入するかがイコールで女性の活躍につながるのだと書かれていました。
そうですね。その点、出産後も社会復帰をしやすくするよう、育児プチMBAなんかは面白い取り組みだと思います。
男性の育児休暇取得が進まない背景には、休業明けに仕事がこなせるか、また相当なポジションに今後昇任することが可能かという不安があると思います。そのため、休暇中のフォローもできれば少しは心配のタネも無くなりますしね。
少子化対策とは、"望む人が望むときにパートナーを持ったり、子どもを持ったりできることである。"と書かれており、そのためには働き方を変える必要があります。
制度が先か、理解が先かとありますが、さらには自分の考え方も大事ですね。
"仕事の熱狂に溺れない。正気を保ち続けるという働き方。"ともありますが、24時間という時間と家族という人の数は変えられないので、その中でリソースをどう配分するかは改めて考える必要があると思います。